J.S. Bach: Nun komm’, der Heiden Heiland

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J.S. Bach: Nun komm’, der Heiden Heiland

編曲:高田春彦(バッハ・コラール前奏曲集より)

バッハ《Lob sei dem allmächtigen Gott》をチェンバロで弾く|魂の美の響き

ヨハン・セバスチャン・バッハ。
彼の音楽は、いつも天と地の間を行き交う“祈り”のような響きを持っています。

今回は、オルガン作品を手鍵盤だけで演奏できるよう編曲された
**「バッハ・コラール前奏曲集」より《Lob sei dem allmächtigen Gott》**を
チェンバロで演奏しました。

「Lob sei dem allmächtigen Gott」——全能の神に讃えあれ

Lob sei dem allmächtigen Gott,
der unser sich erbarmet hat,
gesandt sein’n allerliebsten Sohn
aus ihm gebor’n im höchsten Thron.

全能の神に讃えあれ。
私たちを憐れみ、
その最も愛する御子を遣わしてくださった神に。

この短い詩句の中には、
人間の限りない感謝と、赦しへの祈りが込められています。

チェンバロで奏でると、オルガンの重厚な響きとは違い、
より透明で内省的な祈りとして、静かに心に染み渡ります。

🕊 チェンバロで奏でる祈りの音

チェンバロの響きは、
「外へ向かう賛美」ではなく「内なる対話」のようです。

一音一音が、まるで光の粒となって空気の中に漂い、
心の奥の静寂と共鳴していきます。

バッハの音楽は、人間の理性を超えて、
神の秩序と愛の周波数に近づいていくような感覚を与えてくれます。

音とともに在るということ

この曲を弾いていると、
“演奏する”という意識がふと消える瞬間があります。

音が私を通して流れ、
祈りそのものが形になっていく——そんな感覚。

恩師の言葉を思い出します。

「自分から弾くのではなく、
演奏させられている感覚へと移行していきましょう。」

音に身を委ね、
天とつながる一音を奏でるとき、
心は自由になります。

🎼 曲情報

  • 作曲:J.S. Bach
  • 作品:Choralvorspiel Lob sei dem allmächtigen Gott
  • 楽器:Cembalo(Harpsichord)
  • 出典:手鍵盤用編曲「バッハ・コラール前奏曲集より」
  • 演奏:Jean

✨ 結びに——魂の美の響き

バッハの音楽は、宗教を超えて、
すべての魂が「光へ還る」ための道を示しているように思います。

チェンバロで奏でるその一音一音は、
人間の小さな祈りを、やがて宇宙へと解き放っていく。

Harpsichord × Soul × Beauty of Japan
祈りの音は、いまも静かに世界を満たしています。

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